奄美の昆虫
奄美大島は気候区分的には平地部は亜熱帯、標高が300mを越えると暖温帯となる。島ではあるが山地部が多く地形も変化に富み、面積も大きく、湿潤な気候で降雨にも恵まれ豊かな森が育まれている。そのおかげで昆虫相も変化に富み、南方系の種から、北方系の遺存種まで非常に多様である。特に南部は森林に覆われた山地が多く、近年まで開発による影響を免れ、そこに生息する動植物は温存されてきた。島として隔離され歴史が古いために、固有亜種や固有種となった昆虫も多い。知られている種数は琉球列島で約8000種(琉球列島昆虫目録(2002))、奄美大島だけで約3500種余りであるが実際にはその倍位の種が居ると推定されている。調査の行き届かない分類群が多いので今後調査が進めば、予測される種数に達する可能性は大きい。