7月11日(水)、
加計呂麻島の俵(ひょう)中学校が
板付け舟による大島海峡横断にチャレンジ!
板付け舟は、板を張り合わせた素朴な構造の舟。
こちらに6人の漕ぎ手と1人の舵取り、
合計7名で乗り込みます。
海岸線が複雑で
入江ごとに集落のある瀬戸内町では、
山を越えるよりも
この板付け舟が集落と集落、
島と島を移動するのに重要な役割を果たしていたそうです。
俵中学校の大島海峡横断は、
奄美大島の須手(すで)港から、
対岸の加計呂麻島の俵集落までの約8kmを
この板付け舟を使って自分たちで漕いで渡ります。
平成2年度から実施しており、
今回で第22回目を迎える(うち1回天候不良で中止)、
俵中学校最大の学校行事。
まずは、須手港で開会式です。
「がんばるぞー! エイ、エイ、オー!」
この海峡横断のねらいは
①気力・体力・忍耐力を養う。
②体験活動を通じて、連帯感を養い、目的完遂の喜びを味わわせる。
③昔の生活を体得させ、先人の生き様に関心を持たせる。
とのこと。
この日のために俵中学校では講師の方を招いて、
板付け舟の由来や歴史、
実際に使っていた頃の話や
苦労話を語っていただいたり、
地域の方に漕ぎ方・舵の取り方などを教えてもらいながら、
何度か実践練習をしてきました。
俵中学校は、
全校生徒10名(1年2名、2年5名、3年3名)。
生徒の舟は2隻(生徒5名+教職員2名で1隻)、
保護者が1隻、
そして俵中OBが1隻と、
合計4隻での横断です。
それでは、俵集落へ向けて
しゅっぱーつ!
伴走船から校歌や
元気になるような音楽を流したり、
声をかけたりして、応援していきます。
瀬戸内町にある
古仁屋海上保安署の巡視艇「うけゆり」も見守ってくれました。
電光掲示板で「ゴール目指してガンバレ」の文字が。
心強い!
舵取りの1人、中1の山田くん。
余裕ですね~。
舵取りは舟の進む方向を見極め、漕ぎ手への指示、
声をかけたりと、リーダーとしての役割を担ってます。
もう一隻は、中2の久保さん。
力強く一所懸命に舵取りしてて
とってもカッコよかった!
こちらは、笑顔あふれる(!?)
保護者の舟。
やはり大人。
ひと漕ぎで、グググーンと進みます。
保護者のみなさんは一緒に板付け舟で漕ぐ他、
自家で所有してる船などで伴走したり。
さまざまなサポートができるのも
海が暮らしの身近にある
瀬戸内町ならではかもしれません。
あと少し!
みんなで声をだして最後までがんばります。
途中、苦しそうな顔も見受けられましたが
前から順番に2人ずつ休憩したり、
お互い声を出し励まし合ったり
いろいろな工夫をして乗り切ってました。
後半には統一感も出てきたかな?
俵集落が見えてくる頃には
「ドンドンドンドンドーン」と、チヂン(太鼓)の音が聞こえてきました。
ゴールの海岸には、応援がいっぱい!
集落のみなさんが待っていました。
俵小学校のみんなも応援にかけつけて。
「あと少し! あと少し!」
先に着いた舟の生徒もエール!
ゴォーーール!
大島海峡8kmを見事完漕。横断成功です!
生徒の乗った舟は1時間~1時間半ほどで漕ぐことができました。
喜びを爆発させるというより、
疲れてグッタリ‥。
無事に舵を取った久保さんをたたえて友人からのハグ。
「カッコよかったよーー!」
「最初はとても不安でゴールできるか心配だった。
でも、みんなのかけ声や地域の人たちの声援で疲れも少しふっとんでいました。
来年は今年より声をだして、
チームのみんなを引っ張っていけたらいいなと思います」と久保さん。
最後まで力を抜かず舵取りしていた姿は
本当に素晴らしかったです。
閉会式です。
応援してくださった集落のみなさん、
保護者のみなさんに感謝の礼を。
最後にみんなで記念撮影。
大仕事を成し遂げて、
みんなリラックスした表情に。
いつもフェリーや定期船で渡っている大島海峡を
自分たちで漕いで渡るというのは、
体力的にも精神的にも
本当に辛いことだったと思います。
みんなが一つになれた、
海峡横断をやり遂げた思い出は
きっと一生残るでしょうね。
大島海峡を有する
瀬戸内町ならではの学校行事でした。
俵中学校のみなさん、
おつかれさまでした!
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◎俵中学校の様子が分かるブログです。
俵中だより http://hyouchuu.amamin.jp/
2012.07.11
瀬戸内町 加計呂麻島 俵・大島海峡
S.B.I (瀬戸内町文化遺産活用実行委員会)