シマの正月 ウディ飾り

2013年01月08日 | 関連する集落:清水
あけまして おめでとうございます。
2013年も、「あまみヒギャジマンプロジェクト」をよろしくお願いいたします。

新年早々の嬉しいニュースとして、
奄美新聞さんの新年特集号<第4部>に当ブログのことを掲載していただきました!

われわれS.B.I(瀬戸内町文化遺産活用実行委員会)の
活動内容なども触れていただいてますので、ご覧いただければ幸いです。
 


 
また昨年末に、「シマの三献 写真募集」とお願いしたところ、
たくさんのかたにご協力いただきました。ありがとうございました。
整理してから、あらためてブログで紹介します。

が、まだまだ写真は絶賛募集中!!

メール( bunkaisan@gmail.com ) または、ヒギャジマンプロジェクトのFacebookまでお願いいたします。

とくに住用のみなさん! 住用がゼロです・・・。
ぜひとも、よろしくお願いいたします!!!

詳細はこちら → 「お宅の三献おしえてください!」


  * 

さて、新年明けて、
「瀬戸内町ならでは」のお正月を求めてうかがったのは、
清水集落の代美原(よみはら)さんのお宅。

そこで拝見した、おめでたいお正月の床の間飾り。

なんと、一番右に飾っているのは、シマグチでウディ、野菜の蕪(カブ)なんです!
 



カブをそのまま剣山にさし、
葉っぱやお花もそのままついている状態。



床の間に飾っているものを右から順番に見ていくと、
カブ、鏡餅とダイダイ、お花(ユズリ葉、松、ナンテン、菊)などが並んでいます。

「カブ(蕪)、ダイダイ(橙)、ユズル(ユズリ葉)」。


つまり、「株、代々、譲る」との語呂合わせ。
家の財産などを子孫に代々譲るという縁起を担いでいるのです!

また黄色い花を「黄金花(クガニバナ)」と呼び、
正月にふさわしい飾りものとして、たくさん咲いているものを選びます。

代美原さんのお宅では、このカブは家の畑でとれたもの。
31日に飾り、11日の鏡開きの時に下ろします。
黄色い花は、水を毎日かえるので
大晦日から11日までイキイキしてるとか。


 * *


その他、床の間に飾るものとして、
今ではほとんど見られなくなったようですが
「雪松(ゆきまつ)」があるそうです。

雪松とは、床に枝ぶりのよい松を切って生け、
その枝に綿などをちぎって乗せて
まるで松の枝に雪が積もっているように見せたもの。

管鈍(くだどん)では、真っ白な雪をふりかけることによって
清らかな様子をあらわしたと伝えられています。

平地では、雪が降ることのない奄美。

「一面、銀世界」。
静寂、荘厳な雰囲気への憧れでしょうか。

南国の島で、
雪に見立てた床の間飾りをするというのが、なんとも興味深いですね。


 * * *


突然おうかがいしたにもかかわらず、
快く写真を撮らせてくださった代美原さん。

昭和6年、7年生まれのご夫妻で、
ご主人は、以前集落の区長をしていらしたので、シマのことをいろいろと教えてくださいます。

この日は写真を撮り終わると、
奥さんが「ほらほら、お茶でもどうぞ」と、
こーんなにお茶うけまで用意してくださいました。



奄美に移住して10年目を迎えるにも関わらず、
新年早々、初めて見るシマの正月風景。

今年もまだまだ新しいものに出会えそうで、楽しみです。

みなさま、よろしくお願いいたします。





< 参考文献 >

・「瀬戸内町誌(民俗編)」 瀬戸内町
・「瀬戸内町の文化財をたずねて」 瀬戸内町教育委員会





2013.01.06

S.B.I (瀬戸内町 文化遺産 活用実行委員会) 広報K

鹿児島県 奄美大島 瀬戸内町立図書館・郷土館内