網野子 シバサシ

2012年10月07日 | 関連する集落:網野子
アラセチから7日後の
9月28日(旧暦8月ミズノエ)の「シバサシ」の日。

大昔の祖先の霊と思われるコソガナシ(高祖様)を迎えるとともに、
その名のとおり、
シバ(ススキ)を家や田畑の四隅に挿す行事があります。

その様子を見ようと、
網野子(あみのこ)集落へ朝9時前に行ってみました。
 


シバを挿すことで、
家を清め魔除けとなり、
田畑などは、害虫予防や病気などが発生しないように、と願いが込められています。
 


シバを挿す以外にも魔除けとして
子ども達が桑の木の皮を手首と足首にくくって八月踊りをしたり、、
ニンニクの首飾りを首にかけウッチュグワ(先祖)に連れて行かれたりしないようにしていた時代もあったとか。

 



集落内を歩いていて出会ったおばちゃんに
シバサシの時はどのようなことをするか話を聞いたところ、
前日には門口でワラなどを燃やして、お墓参りし、
仏壇にミキと水をお供え(料理などはお供えナシ)。

以前は、チカラグサでネブックワ(ひしゃく)を作り、
シバサシ当日に朝起きたら、
仏壇にお供えした水とミキをそのネブックワで混ぜる。
ただ今は普通のスプーンでまぜているとのことでした。
あとは、家の四隅にシバを挿しているそうです。
 


昔は茅で屋根を葺いており
シバを挿しやすかったため「シバサシ」をする家庭も多かったようですが、
現代の鉄筋コンクリートの形態となり、
この行事をするところも少なくなったようです。
 


ですが網野子集落では歩いていると、
「あっちも! こっちも!」と
予想以上にススキを挿している家が多く驚きました。

みなさん、なんとか四隅にすき間を見つけています。
 


今までシバサシを意識していなかっただけで、
実は自分の住んでいる集落でもやっているのかもしれませんね。
(と、言いながら朝に自分の集落を見る余裕がありませんでした・・)。

来年は気をつけてシバサシを探してみようと思います。




参考文献「瀬戸内町誌 民俗編」




2012.09.28

瀬戸内町 網野子

S.B.I (瀬戸内町 文化遺産 活用実行委員会) 広報K

鹿児島県 奄美大島 瀬戸内町立図書館・郷土館内