旧暦7月13日(新暦8月30日)、旧盆の初日に、
職場のFさんがご先祖さまをお迎えに行くというので、
同行させていただきました。
お墓までご先祖さまをお迎えして自宅へ一緒に戻り、
お盆の3日間一緒に過ごすため。
「お迎えは早く、送りは遅く」。
なるべく長い時間、ご先祖さまが家族と一緒に過ごすために
こう言われているそうです。
てぃだくぁんくぁん(太陽カンカン照り)の午後一番、
瀬戸内町の東の集落、蘇刈(そかる)のお墓へ。
お花などを供える準備。
菊などと一緒に、このショーロー(和名:メドハギ)も一緒にいけていました。
茎の部分は、ショーロー箸として、
仏壇のお供え料理と一緒に添えるもの。
Fさんは、3基のお墓からお迎え。
現在、島に住んでいらっしゃらない方のご先祖のお迎えも頼まれているとのこと。
このあと、手安(てあん)集落にもお迎えにいくと言ってました。
何人のご先祖さまをお迎えしてたんでしょうね。
帰ろうとしていたら、
知り合いのご家族もお迎えにいらっしゃっていたので、
いろいろと教えていただきました。
お花をあげて、お線香をあげて。
こちらのご家族は、前日にお墓掃除をして、
旧暦13日は迎えるだけの準備をなさっていたそうです。
最後に、提灯を開いて灯りをともし、
「家に帰りましょうねー」と、お墓に話しかけていました。
迎えの日は、お墓から家まで提灯をさげて一緒に帰り、
送りの日は、家から提灯をさげてお墓まで行き、
この世に戻ってきたご先祖さまをお供するのだとか。
こちらから出かけてご先祖さまをきちんとお迎え・見送りに行くという行為や気持ちが、
本当に素晴らしいなと思う、島のお盆。
墓地全体をぐるりと掃除なさっているかたが。
すぐ近くに住んでいらっしゃり、
「ここはみんな通るし、
きれいにしてないと帰って来る集落のご先祖さまがかわいそうだからね〜」と、
暑い中もくもくと掃除されてました。
2012.08.30(旧暦7月13日)
瀬戸内町 蘇刈
S.B.I (瀬戸内町 文化遺産 活用実行委員会)
鹿児島県 奄美大島 瀬戸内町立図書館・郷土館内