4月12日は、旧暦の3月3日。
シマでは、この日を「サンガツサンチ」と呼び、海で遊ぶ日とされています。
この日に海に行かない人は、カラスやティコホ(リュウキュウコノハズク)になると言われていて、
老若男女を問わず多くの人が海へと向かいます。
というのも、ここ瀬戸内町では、この日ばかりは
小学校が休み(午後から)!!
大人も多くの人が仕事を休み、お昼からお弁当を持って海へと向かいます。
実は、隊長鼎は笠利町出身。
笠利町では、残念ながら学校は休みになりません。
サンガツサンチ自体は知っていましたが、家族総出で!という程でもなく。
これほど盛んな行事だとは、瀬戸内町に来てから知りました。
瀬戸内町に来てから10年。
サンガツサンチに海に行くのは、2回目!
今回は、家族でのサンガツサンチ、楽しみ半分、調査半分♪
午後から休みをもらって、準備万端、いざ出発!
古仁屋のお隣、清水集落に向かいます。
もうすでに、海には人影が!
どこから浜に行こうかと、ウロウロしていると、
「あげ!どこから来たわけね?おにぎりでも食べていきなさい!」
とすでにサンガツサンチの浜遊びをしているシマッチュに誘われました。
そして、カメカメ攻撃。
食べることが大好きなので、喜んでいただきました。
テーブルには、ごちそうがずらり。
集落の海で採ってきたという貝。
調理済みでスタンバイです。
他にも、この日ならではの食べ物が!
それは・・・
「フティモチ」
皆さん、サンガツサンチには必ず食べないといけません!
こちら、集落のご婦人による手作り品。
味はもちろん、最高でしたよ!
さて、食べてばかりでは、半分カラスなので、さっそく浜へ
すると、初節句らしき子を連れた母子を発見。
シマでは、生まれて初めて節句を迎える子を浜に連れ出して、
浜石を踏ませたり、海水に足をつけて無病息災を祈ります。
2年前、ちょうどこの場所に、娘を連れて来たことを思い出し、ついついシャッターを。
元気に育ってほしいです。
さあ、獲物を採りに行きましょう!
といっても、周りは強者ばかり。
すでに浜は掘り起こされた跡ばかり。
貝は残っているのだろうか・・・?心配で周囲を見渡していると、
カメラに近寄ってきた、子供たちが。
その手には・・・?
まるで、宝物のようにきれいな「ハマグリ」(イソハマグリ)!!
「僕が採ったっちょ!」
と、嬉しそうに見せてくれました。
そうこうしているうちに、いつの間にか、浜は人でいっぱいです。
そろそろ、潮時か?
帰ろうと思って引き返そうとした、その時!!
!!なんと!! 「玉縁口縁白磁」 !!
当たり前ですが、皆さん眼中にありません…
結構、良い遺物なんですよ!
考古学を専攻していた夫婦のみ大興奮!
二人で、「ローリングをあまり受けていないけど、陸から?海から?」
と話は盛り上がりましたが、ここでは省略。
さて、隊長家の成果が気になる皆さん。ちゃんと貝は採れましたよ!
数ではありません。採ってくることに意味があります…
シマッチュの皆さんからは、
「あげ!味噌汁に入れんば。」と教えていただきましたが、
隊長家ではバター炒めが定番です!
ハマグリのバター炒めに舌鼓を打っていると、ドアをノックする音が…
なんと、お隣さんからティラダ(マガキガイ)とカタンニャ(チョウセンサザエ)のおすそ分け。
それも、下処理済み!(なんと素晴らしい・・・)
とっても豪華な夕飯になり、感謝感謝です!
そして、
夕飯中に外からリュウキュウコノハズクの鳴き声が聞こえてきました。
きっと海に行かなかった方が変身したのかもしれませんね!
今回のサンガツサンチ、なんだかんだと色んな収穫がありました。
今年こそ、ついているかも!
2013.4.12 瀬戸内町 清水
S.B.I (瀬戸内町 文化遺産 活用実行委員会) 隊長鼎
鹿児島県 奄美大島 瀬戸内町立図書館・郷土館内