平成26年10月8日(水)
加計呂麻島民泊協議会さんと戦争遺跡の合同調査を行いました。
加計呂麻島民泊協議会は、
・加計呂麻島の民家に泊まり様々な体験を行う
・島の歴史や文化に触れ合う
・シマの素材を使ってモノづくりをする
ということを目的とし、2012年から活動されています。
これまで、学生サークルの方々などの利用があり、加計呂麻島の歴史や文化を学び体験する場として活用されています。
加計呂麻島在住の方々や現地ガイド、山や植物の専門の先生方も含め12名の参加となりました。
この日、向かった先は、加計呂麻島の『三浦集落』
第十八震洋隊が配備された『呑之浦』から、湾を二つ隔てた湾奥のひっそりとした場所に位置します。
2000年には、仲田浦で、第十七震洋隊(三浦基地)の「格納壕」が6つ確認されています。
今回の調査地は、なかなか歩いては行けない場所にあるので、
調査は、大潮の干潮時間に行われました。
干潮時間帯でも、この水位。
崖を登ったり下ったり。
滑らないように皆で声をかけて進みます。
海から見たらこのような風景ですが、
このアダンなどの林の奥に
二つの『格納壕』を確認。
壕の方位や略測も行いました。
軽く叩いてみると、床下の音に違和感があり、空洞になっているような場所もあり、
レールなどがあったのかも?と調査メンバーで推測しました。
三つ目は、離れた場所で確認できました。
入口付近は、残念ながら大量のゴミが置かれていました。
しかし、奥に入ると、内部の状態に驚きました。
ほぼ崩れることなく、当時のままで保持されている状態でした。
壕を補強していたと思われる“木材”の破片が所々で見られました。
今回の調査では、4つの『格納壕』を確認することができました。
これまで、入ったこともない場所にどんどん入っていき、予想を超える調査量となりました。
観光地として整備されている『呑之浦』と同じような環境にある湾内に、
これだけの壕があったことに、驚きました。
今回は、民泊協議会の皆さんと共に調査をすることができました。
加計呂麻島在住の方々は『まずは、自分たちが知ること』と、とても勉強熱心。
その姿勢に感銘を受けました。
人が多ければ、調査地点も多くなり、様々なことに気が付きます。
こうして地元を知る地域の皆さんと協力して調査ができることは、とても素晴らしいことだと実感しました。
2014.10.08
加計呂麻島 三浦集落
埋蔵文化財調査員 正智子