油井の稲作 種もみまき

2013年03月01日 | 関連する集落:油井
2月26日(火)、油井集落の田んぼで、
米づくりの最初の作業「種もみまき」がありました。

作業したのは、油井小中学校の子どもたち。

場所は、学校のすぐ近く、須佐礼(すされ)にある田んぼです。


昨年の12月に同学校の子ども餅つき大会を見学させていただきました。

その時に知ったのが、
油井では集落で田んぼを所有し、餅米を育てているということ。

学校の子どもたちも体験学習や子ども会の行事として
一年を通し稲作に参加しています。


この田んぼで収穫した餅米と藁は、
旧暦8月15日、油井集落の十五夜豊年祭で披露される
伝統芸能「油井の豊年踊り」(鹿児島県指定 無形民俗文化財)で使用。

餅米は、赤飯にして敬老者に供し、
藁で、演目の一つの綱切りや土俵を飾る縄などをつくっています。

(ちなみにこの田んぼで作っているのは餅米。
縄を作るのに、餅米の藁(わら)のほうが長くて適しているそうです)



  * *

この日準備していた「種もみ」は、
昨年約60kg収穫した籾のうち3kg分ほど。

2月2日から籾を二晩ほど水に浸けておき、
ざるにあげてから毎日水をかけて発芽をうながしてできたのがこの種もみ。

自然とはよくできたもので、寒いと発芽はすぐ止まり、
暖かいとすぐ伸びてくるそうです。


まずは、油井集落の区長であり、
油井豊年踊り保存会 会長の内田 百一(うちだ もいち)さんが、まきかたの見本をみせます。



それでは、油井小中学校の子どもたちも、裸足になって田んぼに入って作業です。


 



このどろどろの感触、たまらないですよね!



やっぱりこうなっちゃいます・・。


でも、これが楽しいんですよね。



種もみをまいたあとは、
防風・防虫、日除けなどのために寒冷紗(かんれいしゃ)をかけていきます。



飛ばないようにしっかりと抑えて。
 
 



区長さんにお礼を伝えて、この日の作業はおわり。



田んぼから学校までの途中の川で、汚れた泥を落として。
こんなことが、授業で体験できるのもうらやましいですね。



この日は、いい天気だったのですが、さすがにまだ川の水は冷たかったようです。



  *  *


「稲作があってこその、伝統文化・郷土芸能があるんです。
まずは稲作を守っていかないと、意味がない」と、内田区長。


稲作は、油井にとって集落を象徴する存在。

油井小中学校の子どもたちも稲作を体験することで、
シマの伝統文化や、結の心を学んでいけるいい機会です。
 


次はこの種もみが約10~15cmぐらいに伸びて苗となった頃に、田植え。
4月中~下旬でしょうか。
 

集落の田んぼは、約60坪。昔はこの一帯で稲作をしていたそう。

今年一年、油井集落の田んぼがすくすくと成長し、
豊作となることをお祈りしています。

また田植えの頃が楽しみですね。







2013.2.26 瀬戸内町 油井 

S.B.I (瀬戸内町 文化遺産 活用実行委員会) 広報K

鹿児島県 奄美大島 瀬戸内町立図書館・郷土館内