平成26年3月23日(日)
奄美大島だけに生息している国の天然記念物 『オオトラツグミ』 の調査に参加しました。
去年の様子はこちら→ 「オオトラツグミ一斉調査」
オオトラツグミの調査は、毎年3~4月に実施されています。
今年で21周年!
住民主導の調査としては日本で最も長く続いている調査です。
(去年は、文化庁で表彰も受けています)
オオトラツグミはこんな野鳥です。
なかなか姿を見ることができないので、とても貴重な写真なんですよ!
(奄美野鳥の会 清正斉氏提供)
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調査の一週間前、3月15日(土)に、瀬戸内町立図書館・郷土館で “事前説明会” がありました。
(今回、私は欠席しましたが…)
この事前説明会。
調査方法などをわかりやすく教えてくれるので、初めての方でも安心して参加できます。
では、この「オオトラツグミの調査」とは、一体どんな事をするのかというと、
オオトラツグミの鳴き声を聞いて、地図に方角と鳴き声が聞こえた時間を記録していきます。
調査方法は、
①鳴き声の方に体を向ける
②コンパスを体の正面で地図の上にのせる
③地図を回転させて地図とコンパスの(N)を合わせる
④現在地から鳴き声の方向に線を引く
こんな感じです。
毎年、コンパスの動かし方、書き方に悩んでしまいますが、
ベテランの方と一緒なので、調査方法を確認しながら調査に臨むことができるので安心です。
この調査によって、オオトラツグミの個体数や分布域を知ることができるのです。
調査員は責任重大ですね。
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それでは、3月23日(日) 油井岳周辺での調査の様子を紹介します。
早朝4時50分、暗い中ぞくぞくと調査員が集まってきます。
私達の調査斑は4人グループで、峠から阿木名側に500mほど下った空き地での調査でした。
耳をすませると、5時49分頃から3ヶ所で鳴き声が聞こえてきました。
オオトラツグミの鳴き声です。
動画の途中くらいにかすかに聞こえてくるので、耳をすまして聴いてくださいね。
これが、地図とコンパス。
自分たちが立つ地点を軸に、オオトラツグミの鳴き声が聞こえた方向に、赤ペンで矢印を引きます。
矢印の先には鳴き始めと終わりの時間を記入します。
あたりが明るくなり、他の野鳥が鳴き出すとオオトラツグミは鳴きやみます。
この日はめずらしく、アカヒゲやメジロが鳴きだした後も、オオトラツグミの声が聞こえていました(ラッキーです!)。
調査は6時30分まで行われました。
調査が終了すると、油井岳に戻って調査成果の精査をしていきます。
各地点で聞いた鳴き声、つまりオオトラツグミの個体数を集計していくのです。
もちろんですが、オオトラツグミは生き物。
一か所に留まってはくれません。
そして、鳴いたり、鳴かなかったりするのです・・・
方角によっては別の場所の調査班が同じ個体の鳴き声を聞いている場合があります。
時間帯によっては同じ個体が移動して鳴いていたりもするのです。
だからこそ、「時間・方角」の記入が重要になってくるんですね。
1組づつ話を聞いていくので、ちょっと時間がかかります。
調査が終わると、“手作りおにぎり”と熱ーいお茶やコーヒーをいただきました。
早朝からの調査、卵おにぎりは格別です。
デザートは“たんかん”!
みなさん、おにぎりやたんかんを楽しみながら、ワイワイ・ガヤガヤ!
待ち時間も楽しいものです。
待っている間に、こんなものを作ってくれた方もいました。
すごいですね~
最後に、参加したみんなで記念写真。
ハイポーズ!!
私はここ↑
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今年の調査について。
瀬戸内町では
3月21日(金) 清水・伊須・嘉鉄、
3月23日(日) 油井岳周辺、
3月30日(日) 勝浦・嘉徳 で行われました。
一斉調査で瀬戸内班が結成されてから、今年でもう8回めの調査です。
私は現在、皆勤賞です!
調査は、すべてボランティア。
なかなか興味を持ってくれる地元の調査員を確保できないのが、悩みどころ。
3年前に瀬戸内町認定の島案内人に、オオトラツグミの調査の案内を送ったところ、
毎年3~4名参加してくれるようになりました。
その参加者が興味を持ちそうな人に声をかけてくれ、今年はいつもより参加者が多く、
にぎやかで楽しい調査となりました。
オオトラツグミの個体数は毎年、増加傾向にあるそうです。
また、少しずつ分布域を広げており、ここ瀬戸内町の調査がとても重要になってきているとのこと。
オオトラツグミの個体数が増えるように、瀬戸内町での調査員も増えていってくれたらなぁ。。。と思っています。
皆さんも、1年に1回、ほんの少し(だいぶ?)早起きしてみませんか?
いつもとは違うすがすがしく、さわやかな朝を迎えられると思いますヨ!
調査員 NORI
2014.03.30