油井の豊年踊り の一番目の演目、「綱切り」。
その演目で使われる綱は、豊年祭当日に作られます。
『綱かき』
まずは稲藁を3か所に運びます。
この稲藁は「油井の稲作」で収穫されたもの。
脱穀後、公民館に保管されていました。
さぁ、公民館前の大木にロープを渡し、「綱かき」が始まりました!
「イチ・ニ・サン・シ」の掛け声と供に、綱がどんどん作られていきます。
縄は「なう」と言いますが、これは2束の藁で作る場合をさします。
一方、油井の豊年祭で使われる綱は、3束の稲藁で作られていますね。
3束以上の藁で綱を作る場合、綱を「かく」というそうです。
↑↑ 動画は、写真をクリック ↑↑
子供も祭準備の大切な担い手ですね。
綱の長さは23尋(ヒロ)(=約25m)
休憩をはさんで、約1時間半で完成しました!
出来上がった綱は公民館近くの空き地に置かれます。
置かれた綱の様子は、まるでとぐろを巻いた「蛇」のよう。
「この綱は蛇を表していて、頭は必ず東に向くように巻いていく」とのこと。
民俗学では、
蛇は稲作と深い関わりのある動物。
脱皮を繰り返す蛇は「死と再生」、「水の循環」を表すそうです。
「綱切り」の演目で、綱を3回切り、2回結ぶのは「再生」を表しているのでしょうか?
また、区長さんのお話しでは「稲穂は2回切るとまた穂を出し収穫できる」ということを表しているそうです。
* * * * * * * * * * * *
次は、豊年祭の「左縄、紙垂作り」に続きます。
< 参考文献 >
・ 「瀬戸内町誌 民俗編」 瀬戸内町
瀬戸内町・油井集落
S.B.I 調査員 S.K
2013.10.20