潮の引く風景
干潮時の海の利用を楽しむ光景が、この奄美大島・瀬戸内町に現在も残っている。
海では、満ち潮と引き潮は、ふつう1日2回繰り返される。潮の満ち引きで、そこに生息する生き物の生活リズムが作られている。昼と夜の満ち引きでも変わった生き物の世界を観察することができる。
年に数回ほどの大潮時には、よく潮が引く(潮汐表の潮位では、-表示される)日がある。
旧暦の3月3日(サンガツサンチ)は、女の子の節句で健康祈願をする日と知られている。奄美大島・瀬戸内町でこの日は、引き潮の時間に合わせて、仕事や学校は休みとなり、お弁当をもって家族などで海へ出かけて潮干狩りを楽しむ習慣がある。この日、“海に行かない人は、カラスになる”と言われている。
また、冬場の大潮時には、夜中に最も潮の引く日がある。“イザリ”という伝統的な漁法で貝採りやタコ捕りなどをする。
ここでは、瀬戸内町各地域で奄美の人々が、昔から海を利用してきた“潮の引く風景”の写真を紹介する。