旧暦8月初丙(今年は新暦9月22日)は「アラセチ」と呼ばれ、
「新しい節」の意味で正月にもまさる重要な日。
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瀬戸内町ではハレの日として、豊年祭をしたり、
新築の家を祝う「ヤーユワラシ(家祝い)」や「ヤマワリ(家回り)」をし、
集落の人を招待し飲食をしながら、
八月踊りで祝う習わしがあります。
* *
9月22日、嘉鉄(かてつ)でアラセツに行われるヤマワリ(家回り)がありました。
現在のヤマワリは、新築の家や新しく引っ越して来られた方の家を踊り歩いて、
お祓いとお祝いをするというものです。
今年は新築がなかったので、
嘉鉄小学校の新任の校長先生の家のみとなりました。
ちなみに昔は何日もかけて全部の家をまわってた時代もあるそう。
地域によって形式やまわり方が違うようです。
先日聞いた西古見(にしこみ)集落の話だと、
全部の家を回っていた時、家が多いので二班に分かれ、
山側の道路と海側の道路を同時にヤマワリしたそうです。
ヤマワリは豊年祭の前日に行い、
樽(瓶?)を持って各家から数合ずつお酒をもらい、夜通しで家を回って、
そのまま翌日の豊年祭にお酒をもっていったとのこと。
いろんな方式がありますね。
さて今年の嘉鉄のヤマワリですが、
まず、公民館に16時に集合しました。
始まる前には、婦人会の方々が唄の復習をしていました。
そして、時間になると
お酒とヒムン(干し魚を焼いたもの)でお清めです。
一人一人清めが終わったら、
大きな円を組んでみんなで踊りはじめました。
ここでは唄と踊りを数曲行いました。
中には子供も参加しています。踊ってると言うよりは遊んでいましたが(笑)。
始まりの踊りが終わると、
次は今回のヤマワリの向かう先、校長宅へ移動です。
移動中も太鼓をならし、踊りながらの移動でした。
そして、校長宅の入口近くまでいくと、ここでお迎えする人が登場します!
お迎えする人は手招きし、
後進しながら踊ってヤマワリの人々を迎え入れます。
迎えられるほうは太鼓に合わせて手を叩きながら、
少しずつ前進して行きます。
この踊りをづつけながら、
最終的には校長宅の庭に当たる場所まで招かれます。
庭までくると、そこにはお酒とヒムン、料理などがおいてありました。
まずお酒とヒムンを頂きます。
そして、みんなで庭を囲んで踊ります。
何曲か踊ると、料理とお酒タイムです。
今回は家の中では踊りませんでした。
本来は一戸建ての家の場合、
外で踊った後に家の中でも踊り、料理が振る舞われます。
休憩した後は、また数曲歌いながら踊りました。
最後は招いた人がお礼を言い、みんなで太鼓と手拍子を打って自宅での行事は終わりです。
最後に公民館に戻り、締めの踊りをしてすべて終了。
今回は1軒しかなかったので2時間弱で終わりました。
私も一緒に踊りましたが、唄がわからず・・。
また機会を見つけて唄もおぼえていきたいと思います!
2012.09.22 瀬戸内町 嘉鉄
S.B.I (瀬戸内町 文化遺産 活用実行委員会) 現場監督M
鹿児島県 奄美大島 瀬戸内町立図書館・郷土館内