須手の子牛セリ市

2012年09月14日 | 関連する集落:須手
ここ瀬戸内町では漁業や農業以外に畜産も行われています。

今回は9月6日(木)に
子牛セリ市が開催されたので記録してきました。

場所は、須手(すで)にある
JAあまみ大島事業部・瀬戸内家畜市場。

ここでは2ヶ月に1回、
瀬戸内町内及び宇検村内の農家によって育てられた牛がセリのために集合します。

今回は8ヶ月から10ヶ月ぐらいの子牛、62頭がセリに出されました。
実は子牛と言っても、なんと体重は250kg前後!
人とは比べ物にならないくらいの成長の速さですね。


まず最初に組合の方が挨拶しそれからセリの開始です。

▼セリの始まり



正面に管理者の組合の人、中央には牛の見せ場、
そのまわりに囲むように業者さんが座られています。

セリ場には畳が敷き詰められており、牛が怪我しないようになっていました。
下はコンクリートなので爪が割れるを防止するためだと思われます。


セリに参加する業者は主に鹿児島市内からの方々。
牛たちは朝8時から9時頃には来てるので、
業者はセリの前に牛の状態を見られています。

業者には、子牛セリ市名簿という、
セリにでる牛の血統や生産者など細かい情報が書かれた資料が配られています。
業者はそれと牛の状態を見て値段を考えられるとか。


▼セリを待つ牛




セリが始まると、正面左から牛を育てた方が牛を引いて入場してきます。


▼牛の入場 
 




牛が一頭づつ引き入れられて、中央にある回転棒にヒモがかけられ、
すべての業者にみてもらうように棒のまわりをグルグル回ります。

ここはすでに電子式になっているので、
業者がボタンを押すと最終価格より千円づつ上がるシステムです。
最後に押す人がいなくなるとそこで落札。

見てると、どんどん値段が上がるのでおもしろいですね。

牛の値段もいろいろとありましたが、
パッと見同じようにみえる牛でも、ぜんぜん値段が違ってきます。
素人の私には全くわかりませんでした・・。
これがあとあと肉となった時の値段の違いになってくるんでしょうね。

 
 
 



落札されたあと、また牛は人に引かれて後ろの牛舎に戻っていきます。


▼セリ後 



セリが終わって牛舎に戻った牛は、
買われた業者のタグを付けられ出荷を待ちます。

こちらで業者さんが購入した牛は、
肉牛となり鹿児島黒毛和牛になるほか、
業者さんしだいで全国各地にどこ行くかわからないようです。



▼セリが終わり待つ牛



ひと通り牛のセリが終われば無事終了です。
今回はだいたい1時間ぐらい。

はじめて牛のセリを見させていただきましたが、
思った以上に活気があり、大変興味深いものでした。

与路や請島、加計呂麻島からも多くの参加があり、
いろんな地域から老若男女様々な方が参加されているのが特徴的でした。


▼こんな若い女性の畜産農家さんも



今回の62頭というのは、最近ではかなり少なめだったようです。
次の11月は「正月も近いのでもっと牛の数がでるかもね」とのことでした。

島は離島ということもあり、もちろん不便なことも多々あります。
しかし、自然がいっぱいなことや温かい気候など、有利な点もいろいろとあると思います。

今回のは牛でしたが、いろんなものが生産され、
どんどんと島が盛り上がっていけばいいなと感じた調査でした。





2012.09.06
瀬戸内町 須手

S.B.I (瀬戸内町 文化遺産 活用実行委員会)

鹿児島県 奄美大島 瀬戸内町立図書館・郷土館内