奄美産の貝類調査
2015年03月18日
あけましておめでとうございます
本年も、よろしくお願いいたします
昨年7月より、実施している埋蔵文化財調査ですが、
採集した遺物をより詳しく把握する為に遺跡周辺の環境や生物等の調査も同時に行っています。
『貝類』資料は、
遺跡周辺で獲れる貝種を知る事を目的に製作していますが、
採集した遺物との比較だけでなく、今後の様々な活動にも活用していく予定です。
貝類は、貴重な食料源として、身を食べるだけでなく、貝殻を魔よけや祭事、装飾品、副葬品などに利用されてきました。こうした南海産貝類を求め、古くは縄文時代から、人々は大海原を越え南西諸島へと渡ってきていたと考えられています。
想像すると、すごいですね。
南西諸島は、島々が連なっています。
それぞれの島の魅力が、その当時からあったのかも知れませんね。。。
アワビ、イモガイ科ニシキミナシ、不明
サザエ科ヤコウガイ、サザエ科チョウセンサザエ、アクギガイ科シラクモガイ
集落内や海岸で拾った貝殻の種類と合わせて様々な種類を集めています。
*表面に落ちている貝殻からは、いつの時代に捨てられたものかを特定することは困難です。
ただ、割れ方などを観察すると、自然に割れたものなのか、人の手によって割られたものなのか、推測出来るものもあります。
また、水中の貝類調査と同時に周辺環境調査も行っていきます。(出来るかぎり)
目的の貝類は、遺跡から発掘されるものですが、
なかなかすぐにみつかるものではありませんね。。。
左上から、イモガイ科・タケノコガイ科シチクガイモドキ、トウカムリガイ科トウカムリ
左下から、スイショウガイ科クモガイ、ジャコガイ科ヒレシャコガイ、イタボガキ科シャコガキ
生きた貝類のデータを取れることは、これまでの調査でもなかなか出来なかったこと。
運良くも調査員3名ともダイビングのライセンス保持者ということで、
この機会に水中調査も実施し撮影を試みることとなりました。
*水中調査では、生きた貝類の採取は一切おこなっていません。
ルールを守って観察しましょう。
限られた時間内での調査で、どれだけの海中生物と遭遇するかわかりませんが、
瀬戸内町の海の中も紹介できるよう進めてまいります。
2015.1.5
瀬戸内町立図書館・郷土館
埋蔵文化財調査員 正智子