平成26年10月2日(木)、埋蔵文化財調査で、
加計呂麻島の最西端『実久集落』へ向いました。
豊かな自然 実久ブルーの海 白い砂浜
この日は、クガツクンチ(旧暦九月九日)
実久三次郎神社大祭も開催されていました。
加計呂麻島といえば、“諸鈍シバヤ”ですが、
源氏と平家の伝説が残るこの加計呂麻島で、
同じ日にお祭りが開催されていることは、まだまだ知られていないことかもしれません。
加計呂麻島の
西(実久)では、源為朝の子『実久三次郎』が実久三次郎神社に、
東(諸鈍)では、『平資盛』が大屯神社に祀られています。
さらに、この実久集落は、戦争遺跡も多く残っている場所でもあります。
今回は、集落内の埋蔵文化財調査を行いました。
兵舎跡
貯水施設?
*実久戦跡調査は以前にも同行調査を行いました。記事は、コチラ
*構築された年代などは、『瀬戸内町の戦争遺跡について』で記しています。
埋蔵文化財調査では、とにかく下をみて歩きます。
集落内の畑や空き地には、すでに
新しい砂(土)が入っている土地もあります。
別の場所から土を持ってきている場合もあるので、このような場所で採集した遺物の判断は難しいそうです。
擂鉢(すりばち)のカケラ
今回、表面採集した遺物
土器(不明)、青磁(中国産)、褐釉陶器(中国産)、青花(中国産)、本土産陶器、沖縄産陶器、
本土産陶磁器、貝、ガラス
今回の埋蔵文化財調査によって実久集落では、少なくとも中世~近代の遺物を採集することができました。
≪実久集落 番外編≫
実久といえば、
珊瑚の石垣
ハカラメ(葉から芽)がとてもかわいいアクセントに。
場所場所で、石垣の積み方が違うのも面白かったですよ。
五右衛門風呂跡
(隊長が欲しいとつぶやいていました)
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一日(下ばかり見て)歩き疲れて、ふと海側をみると、デッキが!
実久には泳ぎに来るべきですね(涙)
シマ(集落)を歩いているといつもおもう。
「シマの美しい風景」
シマに暮らす人たちが、大事に手をかけているからこそだと感じます。
「シマを守る美しさ」
私たちがお邪魔するときは、ルールを守ってシマの風景を楽しみたいですね。
この日は、お祭りに来られていた方々からも、貴重なお話を聞くことができました。
シマ育ちではないけれど、島に帰って来たと思える雰囲気がこのシマの魅力
温かい空間にて調査をすることができました。
ありがとうございました。
2014.10.02
加計呂麻島実久集落
埋蔵文化財調査員 正智子