SBI講座『諸鈍探鳥会』

2014年03月30日 | 関連する集落:諸鈍
3月16日(日)は、加計呂麻島の諸鈍集落で「探鳥会」が行われました。

講師は3/15(土)に引き続き、「清正 斉先生」(奄美野鳥の会)です。

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古仁屋の海の駅に集合して、まずはフェリーのチケットを各自購入します。
(子ども用は往復チケットがないので、帰りのチケットは生間(イケンマ)港で購入します。)
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大島海峡を行き来する、「フェリーかけろま」へ乗船します。
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20分ほどで生間港に到着。
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待合所で集合し、今日の日程について軽く説明。
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トイレをすませて、諸鈍集落に向けて出発!
生間集落から諸鈍集落へは、約30分のみちのり。
みんなで、野鳥だけではなく、植物観測もしつつ歩いていきます。
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さっそく、「オキナワチドリ」を発見しました!
「オキナワチドリ」はラン科の植物で、九州南部から沖縄まで自生する日本固有種です。
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ゆっくり歩いていると、ヒカンザクラの木にサクランボが…
まだ青い実が多いですが、赤く色付く頃には野鳥のごちそうになります。
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どんどん歩いて行くと、幻想的なヒカゲヘゴの群生が現れました!
亜熱帯の奄美ならではの風景ですね。
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早速、「ヒーヒヨヒヨヒヨ」と鳴き声が…「アカヒゲ」です。
姿は見えないけれど、きれいな鳴き声です。
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諸鈍長浜公園に到着です。
ここで加計呂麻島からの参加メンバーと合流し、諸鈍探鳥会の始まりです。





公園内には「寅さん」の記念碑があります。
諸鈍集落は「男はつらいよ」シリーズ最終話のロケ地となった場所なんです。





清正先生から、諸鈍集落での探鳥会のルートやマナーについての説明が行われました。



諸鈍集落には広い水田地帯が広がっており、加計呂麻島有数の探鳥ポイント。
今回は先生がお持ちの望遠鏡で野鳥の確認もさせていただけるということで、
どんな野鳥が観察できるのか期待が高まります。




公園から移動し、集落内の空き地をのぞくと・・・
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いました!「タヒバリ」です。
「タヒバリ」は奄美では「冬鳥」として渡来し、農耕地や草地で観察できる野鳥です。
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みんなでのぞきます!
望遠鏡や双眼鏡を使うと野鳥の姿がくっきり、はっきり観察できます。
普段なかなか確認できない野鳥の嘴や羽の様子や色などを見ることができ、子供たちも嬉しそう!
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水田地帯に歩みを進めていると・・・
「ミャーミャー」という鳴き声が集落の山から聞こえてきました。
鳴き声の主は奄美を代表する野鳥のひとつ、「ルリカケス(留鳥)」!
「ギャーギャー」という鳴き声を聞くことが多いので、これにはみんなビックリでした。
「ギャーギャー」の鳴き声は、警戒した時に仲間に知らせる「警戒声」なのだそうですよ。
「ミャーミャー」は何を知らせる声だったのでしょうか?気になる・・・



諸鈍集落を抜け、いよいよ水田地帯へ。
野鳥の声や姿を探しながら、少しずつ進みます。



島の人は目がいいのか、鳥を見つけるのが上手。
みんなに負けじと目をこらして鳥を探していると、青いネットにとまっている鳥が…
「ハクセキレイ」にしては、色がちょっと違うなぁと思っていたら、
ラッキーな事に近くの電柱に飛んで来てくれました。


「ギンムクドリ」でした。
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「ギンムクドリ」は「冬鳥」。
農耕地や集落周辺へ渡来し、毎年観察例が増えていますが、珍しい鳥なんです。




観察したり、声を聞いた野鳥はチェックシートへ記録していきます。
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車がほとんど通らないので、こんなこともできたり・・・
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自然豊かな加計呂麻島ならでは、ですね。




この鳥は「リュウキュウツバメ」
「リュウキュウツバメ」は奄美大島以南に広く分布・繁殖する「留鳥」です。
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「ツバメ」と似ていますね?
「リュウキュウツバメ」と「ツバメ」の見分け方は尾の長さと体の色の違いなんだそうです。
「ツバメ」は「旅鳥」で、奄美では春秋の渡りの時期に確認できるそうです。




お、また何かいたようです。
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水田の畦道を進んで、近くで観察。
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望遠鏡をのぞくと、そこには「サシバ」がいました!
「サシバ」はタカ科の「冬鳥」。
奄美に冬の訪れを告げる野鳥として、知られています。
白い“眉斑(びはん)”があることから、雌鳥とのことでした。
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きりりとした横顔にちびっ子たちの目もくぎづけ!でした。
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「ピッ、ツィイー」の声の主を見ることができて良かったね。




水田地帯を歩いて行くと「ガマの穂」を発見!
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はじけると中からふわふわの綿毛のようなものが出てきます。
これを巣作りの材料とする野鳥もいるんだそうです。
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集落の中に戻り、商店でちょっと休憩。
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近くの民家・屋根では「イソヒヨドリ」の雌鳥を確認。
「イソヒヨドリ」は「留鳥」で、奄美でも一年を通して見ることができる野鳥。
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体色が褐色なので、雌鳥とのことでした。




蜜柑の木には、「スズメ」の姿も。
「スズメ」も「留鳥」。」
私たちにとって一番身近な野鳥かもしれません。
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集落の細い道を抜けると・・・
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諸鈍集落のデイゴ並木に通じています。
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3月のデイゴはこんな風。
葉っぱや花の無い状態だと、枝サンゴのようです。
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諸鈍の海岸では、「クロサギ」を見ましました。
「クロサギ」は「留鳥」。
海岸一帯で見ることができるそうです。
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最後に、デイゴ並木で、みんなで『鳥合わせ』をしました。
1人ずつ今日観察したり、声をきいたりした野鳥を発表していきます。
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(今回の探鳥会で観察できた鳥)
サシバ・イソシギ・キジバト・ズアカアオバト・カワセミ・コゲラ・リュウキュウツバメ・ハクセキレイ・タヒバリ・アカモズ・イソヒヨドリ・ウグイス・セッカ・メジロ・スズメ・ギンムクドリ・ルリカケス・ハシブトガラス・アカヒゲ・アオジ・クロサギ・シロハラ


なんと、22種類もの野鳥を観察することができました!!
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「鳥合わせ」が終わるまで、ちびっこたちは諸鈍の海岸で砂遊び。
海も浜も本当に美しい!!!
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大屯神社の神様へお礼とお別れを告げたのは、11時半過ぎでした。
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お腹がすいたであろう子ども達。
帰りもがんばって、諸鈍集落から生間集落まで歩いて帰りました。





帰りのフェリーではお弁当を食べてパワーアップ!!
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古仁屋港に到着して、最後に渡り鳥のお話を聞きました。
ホノホシ海岸に「ヤツガシラ(旅鳥)」が来ているので、ここ何日間は見ることができるとの事。


 また、3月末から4月初めには「サンコウチョウ」が、
4月20日頃には「アカショウビン」がやって来るとのこと。
これから夏鳥がやって来るのが楽しみになりました。



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今回の探鳥会では奄美にずっと住む鳥や、旅してやってくる鳥もいたり、と、
奄美で見ることができる野鳥を知る機会となりました。

多種多様な野鳥を観察することができるということ。
それは奄美の豊かな自然が守られている証でもあります。

これからも、奄美の豊かな自然、そしてそこにすむ野生動物を守るために
私たちはどうしたら良いのか、方法を考え、実践していけたらと思います。

清正 斉先生、2日間にわたって色々と教えていただき、ありがとうございました。




参考文献】
「奄美の野鳥図鑑」 
「鹿児島県の絶滅のおそれのある野生動植物 植物編」




2014.3.30 
調査員 NORI