26日の文化財防火デーでは、
瀬戸内町の消防のかたがたの指導で防火訓練が開催されました。
その際、われわれは加計呂麻島までの往復を
消防の船に同乗させていただきました。
ん? 消防に船!?
そうなんです!
瀬戸内町の消防には、船が配備されております。
それがこの、”救急車”の船版、救急艇「おおとり」。
▲上に、赤いランプが。出動している時は、もちろん回ります
町民のみなさんには、おなじみな存在でしょうか?
消防に船があるなんて、
今回、初めて知ってビックリしました。
考えれば
瀬戸内町は、奄美大島の一部、加計呂麻島、請島、与路島と
4つの島からなる町。
診療所はあっても、
医師の常駐していない加計呂麻・請・与路島に急患が発生した場合、
奄美大島にある大きな病院へ搬送する船が、どうしても必要になります。
各島から救急患者が出た場合には、
看護師さんや家族の要請を受けて出動。
もちろん救急車と同じなので、
火災、救急・救助とすべての役割を担っています。
▲「おおとり」の船内では応急処置も行います
また奄美大島側でも
花天(けてん)・管鈍(くだどん)・西古見(にしこみ)へは、
消防分署のある古仁屋から陸路で行くよりも早いので
「おおとり」の出番となります。
島々の高齢化も進んでいることもあり、
出動要請は年々増加傾向。
月に16回ぐらい出動することもあり、
一年平均にすると、
140~150件もの出動があるとのこと(3分の1が夜間)。
年に1,2回あるかないかですが、ハブ咬傷で運ばれるかたもいらっしゃる
というのも、島ならではですね。
▲担架を運んだり作業をしやすいように、デッキ部分は平ら
古仁屋港~加計呂麻島の生間港まで
通常かかる時間は、町営フェリーで20分、海上タクシー(貸切船)では、約15分。
「おおとり」は出動した場合、
この同じ距離を6~7分で行くそうです。
まさに海の上の救急車!
なんと消防ポンプも装備されているので、消火活動も可能。
救急車+消防車の役割もあるのですね。
ほかにも海難事故、行方不明捜索、船舶火災など
さまざまな場面で活躍しています。
瀬戸内町の消防のかたがた。
正式には、「大島地区消防組合 瀬戸内分署」のみなさん。
鹿児島県内の市町村で
この救急艇が配置されているのは、瀬戸内町のみ。
九州でも長崎県内に一艇あるだけとのこと。
瀬戸内町に「おおとり」が配備されたのは、
第1号が、昭和43年の救急専門船。
その12年後に、消防の小型ポンプも装備された第2号、
そして現在の3号目となる船が平成11年3月に就航。
今の3代目「おおとり」も、あと4~5年したら更新される予定だそうです。
島々からなる瀬戸内町ならではの
われわれの安全と命を守る、心強い存在です。
2013.01.26 瀬戸内町 古仁屋
S.B.I (瀬戸内町 文化遺産 活用実行委員会) 広報K
鹿児島県 奄美大島 瀬戸内町立図書館・郷土館内