お正月風景 門松

2014年01月04日
2014年 シマは穏やかな天気に恵まれ、心地よい正月を迎えました。
門松01

例年にない良い天気だったので、初日の出を見に行かれた方も多いのではないでしょうか?




さて、今回は、お正月風景の一つ 「門松」にスポットをあてて調査をしてみました。
シマでも、正月になると家の門口に「門松」を飾る家を見かけますね。
門松は、年神様を家に迎え入れるための依り代です。

去年の様子は、こちら



年末になると、お店には正月関係の品物がたくさん並びます。準備風景は、こちら
門松もその一つです。

正月準備でも紹介した、阿木名のふれあい市でも、門松セットを売っていました。
簡単に山に取りに行けない人たちにとっては、助かりますね。
門松02



お店で売られていた「門松セット」は、「松」「竹」「ユズルギ(ユズリハ)」です。
門松03

「松」はマツが“祀る”に通ずることから、松を飾ることで神を祀るということにつながるそうです。
また、松は冬でも緑の葉を茂らせることから、“不老長寿の樹”として好まれ、門松のメインの樹となっています。

「竹」は、成長が早く、まっすぐ育つということで、縁起が良い樹と言われています。

「ユズルギ」は、シマでは殆どの門松に飾られますが、本土では飾る地域は少ないようです。
シマでは「ユズルギ」と呼ばれていますが、本土では、「ユズリハ」と呼ばれています。
新しい葉が出る時にそれまでの葉が譲ることから、その名がついたと言われています。
代々、譲る。子孫繁栄の願いが込められています。
「ユズルギの特徴は」葉柄が赤くなること(赤くならないものもあるそうですが)。
その赤色が縁起が良いということで、選んで門松に用いる方もいらっしゃいます。




それでは、古仁屋の街をブラブラしながら、門松散策と行きたいと思います。


本当に良いお天気に恵まれたので、猫も門松の傍でまどろんでいます。
ポカポカ天気という福の神が猫にも訪れているようです。
門松04



続いて、工場の門松
本土では馴染みの形ですね。
門松05



古仁屋の街はコンクリートが多いので、場所によっては側溝の穴を利用して門松を飾っています。
門松06

こちらは、「松」「竹」「ユズルギ(ユズリハ)」の他に、「シイギ(椎の木)」が加えられています。

「椎の木」は、食べ物に困った時に“「椎の木」には実がなって食べられるよ”
と、子孫に伝える為とも言われています。
ご先祖様の苦労と優しさに頭が下がります。



こちらは、お店の可愛い門松。
松と竹の他に南天が飾ってあります。
門松07

「南天」は、難を転じると言われており、こちらも縁起が良いと言われていますね。




その他に面白かったのが、こちら。分かりますか?
門松08

普段の鉢植えに、門松をトッピング。




こちらのお店でも、植木鉢を利用!
門松09

賢く、楽しい門松です。




ここは、古仁屋・名物の鮮魚店。
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松飾りは、してないなぁと思いきや…




ありました!
小さいけれど、松が飾ってありましたよ。
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その他にも、門松を塩で飾る家もありました。
門松12




港では、船にも松飾りをしています。
門松13

大事な船にも福来たれ!!ですね。
松飾りは、30日か31日に飾っているそうです。

そういえば昔は車にも正月飾りをしていましたね。
今では、車があることが当たり前になったためか、車への松飾りは見かけなくなりました。
しかし、船は商売道具であり、操業の安全と漁獲高が上がるように、ということでしょうか?



いつもお世話になっている、海上タクシーも松飾りをして、なんだか誇らしげに見えます。
門松14




さて、我が家ですが、今は住宅暮らしなので、残念ながら門松を飾ることができません。
そこで、これを購入。
門松15

購入金の一部が“かごしまみどりの基金”へ寄付されるそうです。
みんなに福がある事を祈願してドアに飾りました。





さて、年が明けました。
古仁屋の西隣の手安集落でも調査を行いました。

こちらのお宅では、門口に砂を持ってきて門松を飾っています。
門松16

私も実家住まいの頃は、年末に門松飾り用の砂を浜から取ってきていました。
誰も踏んでいない、綺麗な砂を取ってきて門口に盛ったのを思い出します。




こちらは、鉢植えタイプ。
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門松用の飾り台を作っている家もあります。
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こちらは、本土の門松と日の丸を掲揚。
門松19




集落の公民館にもきちんと門松が飾ってありました。
門松20




さて、今度は清水の神社。
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こちらでも、門松を飾っていました。




門松を飾るのは、家や神社だけではありません。
先祖をまつるお墓にも松を飾ります。
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ユズルギを入れたタイプも飾ってありました。
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厳密には、門松ではないのでしょうが、ご先祖様にも福をという気持ちの表れなんでしょうね。




嘉鉄小学校の門松。
門松24

松に竹にユズルギ、南天、センリョウなど、子供たちには、たくさんの福が舞い込みそうですね。





今回、多くの門松を見て回りましたが、
そこには“福を招き入れ、新年を喜ぶ気持ち”が込められているように感じました。
子孫繁栄だけでなく、先祖への感謝
そして、先祖から受け継いだ知恵や知識を伝えていくことの大切さ、も感じました。

家にも、シマにも、皆さんにも

明るく新しい年に、たくさんの福が舞い込みますように!!
本年もどうぞよろしくお願いいたします!!!





〈番外編〉

ちょっと変わった?門松をご紹介!

まずは、こちらのお宅。
今の時期に綺麗な実をつける「オオムラサキシキブ」を飾っています。
門松25
落ち着いた紫色も、厳かな感じがして門松にぴったりですね。




こちらは、古仁屋小学校付属幼稚園。
門松26

センリョウではない赤い実がありました。
これは、「アオノクマタケラン」の実。
赤い実なので華やかですね。




さあ、オオトリ。
本年のベストオブ門松(隊長鼎の勝手な審査です)は、こちら!

パンの門松!!
門松27

コンクリートで飾れないから。とのことでしたが、パン屋ならではの門松。
素敵です。
パンの神様は、間違いなく訪れていることでしょう!!




瀬戸内町
S.B.I隊長 鼎
2014.01.04