今日は、12月31日。
本年ももう終わってしまいますね。
年末の休みに入り、町中でも慌ただしく正月準備に追われています。
特に、お店ではシマならではの正月用品が並ぶようになってきました。
今回は、瀬戸内町で見られた、年末・正月準備風景を記録しました。
阿木名集落 「阿木名ふれあい市」さん
「阿木名ふれあい市」さんは、集落の皆さんが育てた野菜などを持ち寄って販売する場所。
お店前にはお正月の門松セットや仏花セットなどが置かれていました。
店内の様子。
訪れた時間帯が遅かったのですが、この品揃え。
以前、朝7時過ぎにお店に行ったことがありますが、たくさんの買い物客で賑わっていました。
正月用の金柑でしょうか。
大きくて驚きました。
続いて、古仁屋 「丸平おみやげ店」さん
お土産を買いにではなく・・・
お目当ては「鰹節」
この日は生憎の雨模様のため、鰹節は店内に。
晴れた日にはお店前で鰹節の日光浴風景を見ることができますよ。
店内には椎茸も。
綺麗にパックされ、量も大きさもちょうど良さそう。
お正月のお吸い物用に最適ですね。
これは、鰹節削りマシーン。
正月前は特に忙しいそうで、この日はお孫さんがお手伝いしていました。
削られた鰹節を、わっしと掴んで袋詰め。
鰹節はグラム売りしてもらえます。
お吸い物用に、他の地産商品と一緒に贈答される方が多いそうです。
お次は、古仁屋 「魚屋さん」
島の正月にお魚もかかせません。
これは、贈答用の魚。
お正月用に島外の親戚へ送られる方もいらっしゃるそう。
写真左がソージ(カンパチ)。赤い魚はハージン(スジアラ)、奄美の最高級魚です。
お値段を聞いて、びっくり!
お正月用に奮発して購入してみるのも良いかもしれませんね。
他のお魚屋さんでは、こんなものも!
シマの正月にかかせない、「ヒムン」!!
奄美の正月料理では「三献」と呼ばれる料理を元旦にいただきます。
瀬戸内町では「三献」に、ヒムン(干物)を食する家もあります。
ヒムン用には鯛を購入される方が多いそう。
お魚屋さんで焼かれた鯛も、いいものですね。
いつもは、パンを置いてある古仁屋 「大丸パン」さん
年末の商品棚には、このようにお餅が鎮座。
鏡餅だけでなく、吸い物用の「のし餅」も売っていました。
古仁屋 「新栄青果」さん
こちらもお店前には、正月用の花や野菜・果物が並んでいました。
鏡餅に敷く「うらじろ」
「みかん」と、ざっくり紹介されています。
ちょっと赤みの強いのが「あかみかん」、黄色っぽいのが「ポンカン」です。
「今年のポンカンは味が良いよ~」と、お店の方から1個おすそわけにあずかりました。
食べてみると、みずみずしくて甘かったです。
コタツのお供にいかがでしょう?
切干大根にコ―シャ(山芋の仲間)、生姜
こちらも、年末料理や正月料理にかかせない食材です。
お店奥では、ティバンシャ(リュウキュウツワブキ)の準備に大忙し。
お手製の「ティバンシャ・裂きマシーン?」
ティバンシャを網目状の針金に通すことで、縦に4分割になる仕組みのよう。
ティバンシャは奄美の大晦日に欠かせない「豚骨(ゥワンフゥニィ)」の食材のひとつです。
これが「ティバンシャ」
島外のツワブキと似ていますね。
でも、シマのツワブキの方が繊維とアクが強く、下処理が大変なようです。
ティバンシャを湯がく香りがしてくると、「あ~、もうお正月だな~」と感じますね。
古仁屋 「池田精肉店」さん
お店前には橙やポンカン、パイナップルも。
こちらのお店のお肉は、なんと自家生産豚肉!
豚を潰す日が決まっているので、予約して購入する方もいるそうです。
これは、「塩豚」
冷蔵庫の無い時代、年末に用意された豚肉は塩漬けにして保存されました。
お店で売られている「塩豚」は3日間塩漬けにしたものだそうです。
また、「豚骨」用のお肉にはアバラ肉、三枚肉、ヘラ骨など骨付き肉が使われるそうです。
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奄美の大みそかに欠かせない料理「豚骨(ゥワンフゥニィ)」
「豚骨」は、ティバンシャと塩漬けした豚の骨付き肉の煮物のことです。
これは島外でいうと、大みそかの「年越しそば」にあたる料理でしょうか。
今日は、大晦日。
夕食が近付くにつれ、シマのあちこちで豚骨の香りが立ち昇ります。
島の年末年始を彩る食材。
シマの食を大事にすること。
それは、シマの歴史をも大切に後世につなげることでもあります。
年越しそばもいいけれど、「豚骨」もお忘れなく。
それでは、皆さん良いお年をお迎えください。
瀬戸内町・古仁屋/阿木名集落
S.B.I 調査員 S.K
2013.12.31