加計呂麻島 知之浦

2012年09月25日 | 関連する集落:知之浦
油井小島鳥瀬に行った後は、
加計呂麻島の知之浦(ちのうら)に上陸してみました。

加計呂麻島北部の薩川湾入口にある、
8世帯14人(H24.8月現在)の集落。

明治の初期に人が住み着くようになり、
町制施行前は、瀬武の小字だった知之浦。
神高いシマと他シマから言われているそうです。


この海にせりだすモリヤマ(守山)。
昔はトーノヤマ(唐の山)と呼ばれていましたが、昭和初期にモリヤマに改めたとされています。

モリヤマと桟橋を結ぶ線を境に
むかって左側をメーダ(前田)、右側をウクタ(奥田)と呼ばれています。

メーダには、シューハマと呼ばれる、
かつて塩を炊いた場所があり、
ウクタには、水田があったそう。


桟橋から集落にお邪魔すると、すぐ右手に公民館、
ミャー(広場)があり、もちろん土俵も。




カメがごろごろと転がっていました。
形、色もさまざま。ほしいです・・。



モリヤマの麓に鳥居が。



この鳥居は海をのぞむように建っています。



鳥居をくぐってモリヤマを登って行くと、
拝所がありました。
ご神体の自然石が中にあります。



いつもは海に置いてあるという板付け舟。
FRP(繊維強化プラスチック)を貼ってありますね。
集落では日常的に板付け舟を使っているようです。
だから知之浦青年団は舟漕ぎ競争も強いんでしょうか。



ちょっと離れて集落全体を見たところ。



ずんずん進むと、真珠養殖の作業場があります。
ドラム缶で作った桟橋が面白いですね。



向こうから船がやってきました。




桟橋に行ってみると、
さきほどの船に乗って古仁屋での買い物から戻ってきたお二人が
木陰で涼んでいたのでみんなでおしゃべり。



知之浦には、加計呂麻バスも通っていないので、
週3回、町の中心部・古仁屋まで直接、
定期船が出ているそうです。

基本的には朝7時30分に知之浦を出発し、
午前11時30分には戻ってくるそう。

船長さんと話し合って時間をずらしてもらうことも可能だそうですが、
なかなかその時間内に用事を済ませるのは厳しそうですね・・。


タバコを吸う姿が決まっている作田さん。
知之浦のことをいろいろ教えてくださいました。


20数年前ごろまでは、
古仁屋まで板付け船で行っていたそう。
帆をかけて30分ぐらいで行っていたそうです。

だからでしょうか、
88歳の作田さん、とってもお元気!


お話を終えて。
桟橋から買い物袋を一輪車に乗せて家まで帰っていきました。



バスも通ってないということで、
なかなか足を運ぶことの少ない知之浦。
行ってみると、何かしら出会いがあるのでやはり集落散策は面白いです。

 



参考文献
「奄美 加計呂麻島のノロ祭祀」(著者:松原武実)




2012.09.12


瀬戸内町 加計呂麻島 知之浦

S.B.I (瀬戸内町 文化遺産 活用実行委員会)

鹿児島県 奄美大島 瀬戸内町立図書館・郷土館内